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ジョブ理論 ー イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム

 

ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ビジネスリーダー1万人が選ぶベストビジネス書トップポイント大賞第2位!  ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ビジネスリーダー1万人が選ぶベストビジネス書トップポイント大賞第2位! ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

  • 作者: クレイトン M クリステンセン,タディホール,カレンディロン,デイビッド S ダンカン,依田光江
  • 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ ジャパン
  • 発売日: 2017/08/01
  • メディア: 単行本
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今はものが売れない時代と言われています。

たしかに、生活の中でものはあふれていて、顧客が何を欲しがっているか見つけるのが難しくなっているのは事実です。

しかし、売れている商品やサービスは今でも存在しています。

trend.nikkeibp.co.jp

では、なぜこれらの商品は売れたのでしょうか?

 

「ジョブ理論」によれば、顧客がものを買うのは自分のジョブを片付けたいからといいます。
ジョブとは、特定の状況で人あるいは人の集まりが追求する進歩のことをいいます。

 

例として、朝のミルクシェイクのエピソードがあげられていました。
あるお店で朝にミルクシェイクがよく売れるようになったそうです。
そこで、お客さんに聞いたところ、朝に仕事先まで1~2時間ドライブするときに空腹と退屈な時間を解消するためだったということがわかりました。
でも、ドーナツだとボロボロこぼれて運転しながらだと食べにくいし、バナナだとすぐ食べ終わってしまうからだめだったのです。
ミルクシェイクを買うことによって、顧客の朝の生活に進歩をもたらしたのです。

 

顧客の本当のジョブを見つけるのは結構難しいと思います。
ミルクシェイクのケースも、まず朝に売れていることに関心をもつ人なんてめったにいないでしょう。
気がついたとしても、おいしいから売れてるんだろうくらいにしか普通は思えないでしょう。
大事なのは人に関心をもって、なぜあんな行動をするのかと疑問を解明しようとする姿勢なのだと思います

 

ミルクシェイクのケースは顧客がいたからわかりましたが、顧客がいない場合もあります。
サザンニューハンプシャー大学にはオンラインコースがあったのですが、リソースもあまり投入していない状況だったので業績はいまいちでした。
そこで、ジョブベースで考えてみたところ志望者のジョブを解決するようなサービスを提供していないことに気がつきます。
例えば、オンラインコースに申し込む人は社会人が多かったのに高校生を対象にした内容になっていたり、奨学金の申し込みも手続きが面倒だったりしてあきらめている人が多かったのです。
それを社会人向けの内容に変え、奨学金も簡単に申請できるようにしました。
入学後も学習のフォローをきめ細かくして、全米で有名な大学になっていきました。
このケースでは、表には現れていない生徒のジョブにフォーカスして解決するサービスを提供することが成功した理由だったのです。

 

ただ、ジョブを機能や利便性の面だけから見るのはまちがいです。
なぜなら、人は感情で判断する生き物だからです。

GMは、自社の車に搭載する車載システム向けにオンスターという情報サービスを提供しています。
オンスターはナビゲーションやリモート診断、ハンズフリー通話など様々な情報サービスから構成されています。
GMは、最初このサービスを高級車オーナーをターゲットにしましたが、エントリーレベルの車種でも売れているのを見て不思議に思いました。
顧客を調査したところ、ドライバーがエンジンランプがついているのを見て不安になったり、道に迷って困ったときの頼れるサービスを求めていたのです。
つまり、心の不安を取り除いてくれるサービスにニーズがあったのです
それを理解したGMは高機能を目指すのではなく、ドライバーの不安に対処するサービスを提供することに方向転換して成功しました。

いくら技術が発達しても相手にするのは人間です。
人間は合理的に判断することは意外と少なく、感情で判断することがとても多い生き物なのです。

今は何でもデータ化して定量的に分析することが正しいとされますが、定性的な情報のほうが重要なことが多いのです。
また、データに頼りすぎると相関関係があるというだけで因果関係に結びつけてしまうまちがいが起こりやすいのです。

昔、ソニーの社長の盛田さんがウォークマンを売り出す時、再生だけしかできない音楽プレーヤーなんか売れないと社内中から反対されたそうです。
マーケティングリサーチでもそういう結果が出てたかららしいですが、盛田さんは必ず売れるという確信を持っていたそうです。
私も昔ウォークマンを持ってましたが、実際に使ってる人でないと本当のよさは感じられない商品だなと思いました。
ウォークマンは、外で歩きながら音楽を楽しみたいというジョブを解消してくれる素晴らしい進歩だったのです。

どんな時代になっても人が片づけたいジョブがなくなることはありません。今の日本だと高齢化や少子化、産業の空洞化などでジョブが山積しています。それらのジョブを見つけて解決しようとすれば今でも売れる商品を開発することができるのではないでしょうか。
 

ソニー 盛田昭夫

ソニー 盛田昭夫

 

 

 

MacでESP-IDFをインストールして使ってみる

遅ればせながらESP32でいろいろ遊んでみようということで、MacBookProにESP-IDFをインストールして使ってみようとしたのですが、いろいろハマったので書いておきたいと思います。

 

ESP32ボードはUSBケーブルで接続できるこちらを使いました。

 

接続USBケーブルは、Mac側がUSB Type CでESP32側はマイクロBになっていますが意外に普通のお店では売っていません。変換アダプタもかったるいのでESP32接続専用に買っておきました。

 

まずは、MacにESP32接続用ドライバーをインストールします。

ドライバーはこちらからMac OS X用ドライバをダウンロードできます。

www.silabs.com

 

ただし、最近のMac OSはセキュリティが厳しくなっててApp Store以外のソフトウェアのインストールはブロックする仕様になっています。

インストーラー実行後、コントロールパネルの「セキュリティとプライバシー」で許可してやればインストールされます。

f:id:anthony-g:20190125170833p:plain

 

正しくインストールされるとデバイスファイル/dev/cu.SLAB_USBtoUARTが作られているはずです。

次に、ESP32ツールチェーンこちらからインストールします。

https://dl.espressif.com/dl/xtensa-esp32-elf-osx-1.22.0-80-g6c4433a-5.2.0.tar.gz

(2019年1月現在。最新のファイルはhttps://docs.espressif.com/projects/esp-idf/en/latest/get-started/macos-setup.htmlを参照ください。)

ちなみに、ツールチェーンとはコンパイラアーカイバなどコンパイルして実行ファイルやライブラリを作るためのコマンド群をいいます。

ホームディレクトリにespというディレクトリを作成し、そこにダウンロードしたファイルを解凍します。

# mkdir ~/esp
# cd ~/esp
# tar xzf xtensa-esp32-elf-osx-1.22.0-80-g6c4433a-5.2.0.tar.gz

 espディレクトリ下のxtensa-esp32-elf以下にツールチェーンが展開されます。

 

 次に、ESP-IDFをインストールします。

Githubからファイルをゲットします。

# git clone --recursive https://github.com/espressif/esp-idf.git

ESP-IDFは、サブモジュールもいくつか含まれているのでgit cloneで--recursiveオプションを指定することによってサブモジュールも合わせて取得します。

ESP-IDFに必要な環境変数を.bash_profileに追加します。

~/.bash_profile

export PATH=$HOME/esp/xtensa-esp32-elf/bin:$PATH
export IDF_PATH=$HOME/esp/esp-idf

環境変数をシェルに反映させておきます。

# source ~/.bash_profile

次に、ESP-IDFに含まれているblinkというサンプルプロジェクトをビルドして実行してみます。このプロジェクトはLEDを点滅させるだけの簡単なプログラムです。

回路としては下の写真のように、LEDと抵抗を直列につないだシンプルなものです。ESP32側はGNDとGPIO23のピンに回路の両端をつないでいます。

 

f:id:anthony-g:20190126115335j:plain

 

 blinkプロジェクトファイルをコピーします。

# cp -r esp-idf/examples/getting-start/blink .
# cd blink
# ls
CMakeLists.txt   README.md   sdkconfig.defaults
Makefile             main

プロジェクトの設定を行います。

# make menuconfig

f:id:anthony-g:20190126130835p:plain

USBのデバイスファイルを設定します。

f:id:anthony-g:20190126130852p:plain

f:id:anthony-g:20190126130856p:plain

GPIO23から出力されるように設定します。

f:id:anthony-g:20190126135258p:plain

f:id:anthony-g:20190126135302p:plain

設定を終了後、プロジェクトをビルドしてESP32にプログラムをロードします。

# make flash

ビルド完了後、"Connecting..."というプロンプトが出たら、ESP32のBOOTボタン(USBコネクタ側に向かって右側のボタン)を押してください。

WindowsではBOOTボタン押しは必要なかったのですが、なぜMacではボタン押ししないとタイムアウトしてしまいました。ひょっとしたらボードがespressif純正でないのが理由かも。)

下のような感じの出力が出ればうまくロードされています。

f:id:anthony-g:20190126135908p:plain

 

いろいろハマりましたが、無事Lチカさせることができました。 


esp32 blink

IT+Xについて

仕事も少し落ち着いたので、久しぶりに技術ブログを再開しようかなとあたらしくはてなにブログを作ってみました。

内容としては、今私の興味のあるIT技術を中心に情報シェアできればいいかなと思っています。しかし、今やITはあらゆる分野でインフラとなっている技術ですので、技術的な面だけでなく、実際に使われているケースやこれから使われる可能性についても書いていけたらいいなと思っています。

いつまで続けられるかわからないですが、とりあえず書いていきたいと思います。